「積み上げライフ」へようこそ。
みなさんは、将来のためにどんな投資をしていますか?
S&P500などのインデックス投資でしょうか。それとも、高配当株でしょうか。
私自身も、これまで投資で多くの失敗を経験してきました。リーマンショックでは大きな損失を出し、相場の上げ下げに悩みながらも、コツコツと資産を積み上げてきた一人です。
今でも、将来のお金の不安をなくすための資産形成はとても大切だと思っています。
ですが、50歳を目前にした今、私は以前とは少し違う角度から「投資」を考えるようになりました。
「いくら口座の資産を増やしても、動ける身体がなければ、そのお金を十分に使うことはできない」
そう強く確信するようになったきっかけは、私が通うジムで出会った、ある70歳の男性でした。私は親しみを込めて、その方を「健康師匠」と呼んでいます。
1.ジムの早朝に現れた「ただ者ではない70歳」
出会いは、今から3年ほど前のことです。
私はいつも早朝にジムでトレーニングをする習慣があり、同じ時間帯に通っていると、自然と常連さんの顔ぶれを覚えていきます。そんなある日、見慣れない年配の男性がいました。
最初に目が留まったのは、その体つきです。
決して身体が大きいわけではありません。どちらかと言えば細身です。しかし、ノースリーブから覗く肩や腕には無駄な脂肪が一切なく、美しいカットが入っていました。
着替えの際に目に入った身体も、いわゆるボディビルのような巨大さではなく、無駄をぎりぎりまで削ぎ落としたしなやかな筋肉。
「……この人、かなり鍛えているな」
直感的にそう感じました。毎日のように顔を合わせるようになって1ヶ月ほど経った頃、思い切って私から話しかけてみました。それが、師匠との出会いでした。
話を聞いて驚いたのは、その方が今年で70歳を迎えるということでした。
2.70歳とは思えないトレーニングと、現場で培われた言葉
師匠はほぼ毎日のようにジムへ通っていますが、そのトレーニング内容は少し独特です。
重いバーベルをガツガツ持ち上げるような一般的な筋トレとは異なり、ケーブルマシンやスミスマシンを使いながら、自分の体重や関節を自在にコントロールするような動きをしています。
懸垂のような動きをしたり、スクワットに似ているけれど少し違う独自の動きをしたり。一言で表すなら、見事に自分の身体を自在にコントロールしているような機能的なトレーニングなのです。
さらに話をしていくと、師匠は元・医療関係者だということが分かりました。定年を迎えた今も、アルバイトとして病院に勤務し、長年、医療の現場で人の身体と向き合ってきた方です。
長年、現場で多くの人の健康や老いを見てきたからこそ、師匠の言葉には静かな説得力がありました。
「年を取ってからも自分の身体を動かしたかったら、若いうちから準備しておいた方がいいよ」 「身体を鍛えることも、将来に向けた大切な投資だからね」
そのときの私はまだ40代半ば。「確かにそうだな」と納得しつつも、その言葉の本当の重さを知るようになったのは、もう少し後のことでした。
3.ロードバイクで50km走ってから、山を登る70歳
師匠の体力が「本物」だと痛感させられたのは、一緒に登山へ行ったときのことです。
とにかく登るペースが速い。大学まで野球をやっていて、日常的に筋トレをしている20歳ほど年下の私でも、ついていくのがやっとでした。油断すると普通に引き離されます。
さらに驚いたのは、登山口での待ち合わせでのことです。
「家からロードバイクで50kmくらい走ってきたよ」
そう爽やかに言って自転車を降り、そのまま何事もなかったかのように1000m級の山を登り始めたのです。
70歳にして、ロードバイクを漕ぎ、颯爽と山を登り、人生を心から楽しんでいる。その姿を目の当たりにして、「健康に投資する」ということの本当の意味が見えた気がしました。
4.実は私も、40代で「将来の自分」を諦めかけていた
今でこそ健康や筋トレについて発信している私ですが、最初から健康体だったわけではありません。むしろ40歳を迎えた頃、私は絶望の中にいました。
原因は、猛烈な腰痛です。
朝、布団から起き上がるだけでも激痛が走り、日常の動作ひとつひとつにストレスを感じる日々。大好きだったゴルフも、途中で痛みに耐えかねてラウンドを断念することが増えました。
当時の目標だったゴルフのシングル入りも「この身体ではもう無理だな」と一度は諦め、何より怖かったのは「この痛みが年齢とともにどんどん悪化していくのではないか」という不安でした。
40代でこれだけ身体が辛いのに、50代、60代、70代になったらどうなってしまうのか。未来の自分を想像することから、静かに目を背けていた時期がありました。
5.筋トレを始めて7年。「20年後の自分」を想像するのが怖くなくなった
「このまま衰えていくのを待ちたくない」と思い立ち、腰を守るための補強運動からスタートした筋トレ。気づけば7年の月日が流れていました。
現在は週6回のペースでトレーニングを継続しています。
食事、運動、睡眠、体重管理といった基本的な積み重ねを続けた結果、あんなに苦しんでいた腰痛は劇的に改善しました。一度は諦めかけたゴルフでも、再びシングルハンデまで戻ってくることができたのです。
そして何より大きかった変化は、「20年後の自分を想像するのが怖くなくなった」ということです。
70歳になったとき、今の師匠のように自分の足で山を歩いていたい。好きなゴルフを元気に続けたい。ロードバイクにも挑戦してみたい。
暗闇の中で諦めかけていた未来が、師匠というお手本のおかげで、楽しみな目標へと変わりました。
6.師匠が教えてくれた「継続」という名の答え
師匠になぜ70歳でもそれほど動けるのか尋ねたことがありますが、特別な魔法のような方法があったわけではありませんでした。
若い頃からマラソンやロードバイクを日常に取り入れ、何十年もの間、淡々と身体を動かす習慣を維持してきたそうです。
70歳になって急に強くなったのではなく、日々の地道な習慣が、今の身体を作っていたのです。
この話を聞いたとき、私は自分のブログの軸でもある「積み上げ」という言葉の重みを再確認しました。
投資の世界に一発逆転の魔法がないように、健康にも一朝一夕で手に入るものはありません。 日々の食事管理、無理のない運動、少しずつの実践の積み上げだけが、20年後に「自分の力で自由に動ける身体」という、お金では買えない最大のリターンをもたらしてくれます。
7.お金と健康。どちらも「積み上げ」が欠かせない
私は投資が好きですし、資産が増えていく過程を見るのも楽しみの一つです。将来の選択肢を広げるための資産形成は、これからも続けていきます。
ただし、今は明確にこう考えています。
「お金だけを積み上げても、人生の準備としては十分ではない」と。
たとえば70歳になったとき、どれだけ潤沢な口座残高があっても、自分の足で歩けず、美味しいものを食べられず、病室から出られない状態になってしまっては、その資産を活かすことができません。
- お金の投資:将来の選択肢や自由を増やすもの
- 健康の投資:増えた自由を十分に楽しむための身体を作るもの
どちらか片方ではなく、両方をバランスよく積み上げていくことこそが、人生の後半戦を最高のものにするための戦略なのだと感じます。
おわりに|健康投資は「20年後の自分への仕送り」
投資をしていると、「資産○千万円」「1億円」といった数値目標に目が向きがちです。
ですが今の私は、それと同じくらい「70歳になったとき、どんな身体でいたいか」を大切にしています。
70歳の師匠を見ていると、健康は「失ってから慌てて取り戻すもの」ではなく、「20年後の自分への仕送り」として、元気なうちからコツコツと積み上げておくものなのだと痛感します。
毎日の食事調整、週数回の筋トレ、体重管理や睡眠。その一つひとつの地道な習慣が、20年後の自分に届く大きな仕送りになります。
50歳を目前にした私は、師匠から見ればまだまだひよっこです。
20年後、自分が70歳の節目を迎えたときに、「あのときから身体を積み上げておいて本当によかった」と笑っていられるように。
資産の運用と同じくらい誠実に自分の身体と向き合い、明日もまた、早朝のジムで一歩ずつ積み上げていこうと思います。


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