【高配当株は意味ない?】インデックス投資が有利でも、私が配当株を長期保有する理由

投資

「高配当株投資は税金で不利だし意味がない」

「資産形成の初期段階では、高配当株よりもインデックス投資一択」

投資について調べていると、こうした意見をよく目にします。

私自身も、資産を効率よく拡大させるという意味では、インデックス投資が非常に優れた選択肢であることは間違いありません。利益を自動的に内部再投資して複利効果を最大限に活かせるため、特に資産形成の序盤においては圧倒的な成長力を持っています。

実際、現在の私のポートフォリオもインデックス投資が全体の約60%を占めており、毎月の積立によって年々その比率は高まっています。基本の主軸は、どこまでもインデックス投資です。

しかし、それでも私は「高配当株は意味がない」とは思いません。個別株(米国個別約25%、日本個別約15%)を保有し、高配当株や優良株の長期保有を続けています。なぜなら、投資の価値や満足度は、単純な「最終リターンの数値」だけでは測れないと考えているからです。

始まりは「優良株を手放さず、長く持ち続けるため」だった

私が個別株や高配当株投資に深く関わるようになったのには、ある原体験があります。

もともとインデックス投資や米国株を本格的に始める前、私は日本株を中心に投資をしていました。しかし当時は、今のような長期投資の軸が定まっていませんでした。

  • 株価が上がれば、利益確定のために売ってしまう
  • 株価が下がれば、不安になって損切りしてしまう
  • そして、また次の銘柄を探して買い直す……

このような短期的な売買を繰り返す日々に、少しずつ疑問を感じるようになっていきました。

「良い企業を選び、その成長を信じて長く保有し続けることこそ、本質的な価値があるのではないか」

そう思い直し、スタイルを「長期投資」へ大きく切り替えることにしました。ただ、その際に手持ちの銘柄をすべて売却してインデックス投資一本にするのではなく、「当時保有していた優良株を売らずに持ち続けよう」と考えたのです。

とはいえ、相場が揺れ動く中で銘柄をただ持ち続けるのは、想像以上にメンタルが必要です。そこで重要になったのが「配当金」でした。定期的に配当金という現実的な成果(キャッシュフロー)が入ってくる仕組みがあれば、目先の株価変動に振り回されず、安心して長期保有を全うできると気づいたのです。

手間をかけて調べるからこそ、政治・経済・本業への「学び」になる

インデックス投資の最大のメリットは「銘柄選定の手間がかからず自動化できること」ですが、個別株投資は真逆で、企業の業績や財務状況、最新のニュースなどを自分で分析する手間がかかります。

しかし、私はこの「手間」こそが大きな価値を生むと考えています。

20代で投資を始めた頃の私は、政治や経済の仕組みについて恥ずかしながらほとんど知識がありませんでした。しかし、個別株の勉強を重ね、企業の決算書やニュースを追いかける中で、大きな変化が起きました。

  • 政治の政策や世界情勢が、どのように巡り巡って企業の業績に影響するのか
  • 金利や為替の変動が、私たちの生活や個別企業の売上にどう繋がっているのか

こうした「世の中の仕組みや繋がり」が、点と点のように立体的に結びついて理解できるようになっていったのです。

さらに、企業の決算書を見るようになってから、単なる売上高だけでなく「営業利益率」や「キャッシュフローの動き」「設備投資の意図」まで観察する癖がつきました。この視点は、本業で事業計画や業績の数値を管理・分析する際にもそのまま役立っています。

ビジネスモデルを解き明かし、世界情勢との関わりを学ぶプロセスそのものが、自分自身の知識と仕事の視座を高める格好の教材になっています。だからこそ私は、「学びを止めないため」にも個別株投資を今後も続けていきたいと思っています。

高配当株のリターンは「利回り」だけではない

高配当株というと、「配当利回りが高い代わりに、株価の成長(値上がり益)は期待できない」と思われがちです。

しかし実際には、高配当株の中にも、着実に事業を成長させ、業績拡大とともに株価の上昇を期待できる企業が存在します。つまり配当株のリターンは、単純な配当利回りだけにとどまりません。

トータルリターン= 配当金(インカムゲイン) + 株価の値上がり(キャピタルゲイン)

この両方を享受できる可能性があります。

もちろん、米国株を含め保有しているすべての個別株が高配当銘柄というわけではありませんし、高利回りという数字だけに惹かれて業績の伴わない企業に投資すれば、業績悪化による株価下落や減配というリスクもあります。

だからこそ重要なのは、日常的にニュースや決算を調べ、「企業の業績・財務基盤が健全か」「今後も事業成長や配当維持・増配を狙えるか」を見極める勉強を続けることです。

株価が下がっても配当金が入ってくる「精神的な安心感」

投資を続けていく中で、市場全体の暴落や調整局面は避けて通れません。評価額が大きく減少したとき、投資家のメンタルは強く試されます。

インデックス投資であっても個別株であっても、評価額が減る痛みは同じです。しかし配当株には、「相場が低迷していても、企業が配当を維持・増配してくれれば、口座に現金が入ってくる」という強みがあります。

理論上は「配当もトータルリターンの一部」「内部再投資の方が効率的」と言われますし、それも事実です。

しかし実際の運用では、暴落時に不安に負けず投資を続けられるかが最も重要になります。

「資産評価額が500万円減った」という事実だけに直面するより、

「評価額は減っているが、今年も配当金は前年より増えて振り込まれた」という実感がある方が、はるかに長期投資を継続しやすい。

相場が乱高下する中で届く現金は、相場の波を乗り越えて投資を諦めないための強固な精神的支えになります。

本当の醍醐味は「増配」によるYOCの上昇

私が配当株投資で最も惹かれているポイントの一つが、「増配(企業の利益成長に伴う配当金の増加)」です。

購入時点での配当利回りが控えめであっても、その企業が毎年のように増配を続けてくれれば、自分が買い付けた価格に対する配当利回り(YOC:Yield on Cost)は年々上昇していきます。

例えば、購入時に株価1,000円で配当金30円(配当利回り3%)だった株式があるとします。その企業が毎年増配を重ね、10年後に配当金が60円になったとすれば、自分のかけた買付価格1,000円に対する利回り(YOC)は6%にまで跳ね上がります。

  • 購入当初:年間数万円の配当(利回り3%)
  • 10年・20年後:増配の積み重ねにより、自分の買付原価に対して利回り5〜6%以上のキャッシュを生む資産へ育つ

ただ保有し続けているだけで、口座に入ってくる現金が年々増えていく。企業の成長成果をダイレクトに実感できるこのプロセスは、長期投資における大きな楽しみでありモチベーションになります。

効率だけではない「自分が長く続けられる投資」を選ぶ

技術的な側面で見れば、配当金を受け取るたびに課税が発生するため、利益を税引前で自動的に内部再投資するインデックス投資と比較すると、資金効率の面では不利になります。

純粋に「数十年後の資産額を1円でも多くすること」だけを目的とするならば、インデックスファンド100%にするのが理論上の正解かもしれません。

しかし、投資の正解は「最も理論リターンが高い手法を選ぶこと」だけではないと私は考えています。

  • インデックスを主軸に置いた資産成長の安定感
  • 定期的に自由に使える現金が入ってくる生活上のメリット(QOL向上)
  • 企業の成長とともに配当金が増えていく喜び
  • 企業分析を通じて得られる、本業の仕事にも活きる経済・社会の知識

資産効率ではインデックスに劣る部分があったとしても、自分が納得し、ストレスなく投資を長期間続けられること。これこそが、長期投資における最も本質的な価値だと感じています。

自分に合った最適なポートフォリオで資産形成を続ける

現在、私のポートフォリオは以下のような構成になっています。

資産クラス割合目安自分のポートフォリオにおける役割
インデックス投資約60%効率よく資産全体の規模(コア)を大きく拡大させるメインエンジン
米国個別株約25%世界の先端企業への投資を通じた成長性とインカムの享受
日本個別株約15%身近な優良高配当株を中心に、確実な現金収入と学びを得るサテライト

私にとって「インデックス投資か、高配当株(個別株)か」は二者択一ではありません。

私自身、若い頃は株価が上がれば利益確定し、下がれば不安になって売ってしまうこともありました。だからこそ今は、「最も効率の良い理論上の投資手法」だけでなく、「自分が暴落を乗り越え、10年、20年と続けられる投資手法」を大切にしています。

インデックス投資で資産全体を着実に育てる。

一方で、優良な個別株を長く保有し、企業の成長とともに増えていく配当金や学びを楽しむ。

私にとって、この両方があることが、20年近く投資を続けてきた上での大きな原動力をつくっています。

投資に唯一絶対の正解はありません。大切なのは、誰かの正解をそのまま真似することではなく、自分が納得し、息長く続けられる方法を見つけることです。

これからもインデックスを主軸にしながら、配当株・個別株から得られるキャッシュフローや仕事への学びも大切にし、自分らしく資産形成を続けていきたいと思っています。

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