「今日もスマホを開き、株価の乱高下に胸をざわつかせる……」 「上がれば嬉しいけれど、下がると不安になる」 「暴落したら、売ったほうがいいのだろうか?」
投資をしていると、誰しもこんな気持ちになる瞬間があるはずです。
何を隠そう、以前の私がまさにそうでした。
28歳で株式投資の世界に足を踏み入れ、リーマンショックの嵐の中で恐怖に耐えきれず、最悪のタイミングで売却(狼狽売り)。その後も「少し利益が出たら使う」というお小遣い稼ぎのような投資を続け、なかなか資産を大きくすることができずにいました。
そんな失敗や遠回りを経験してきた私が、49歳になった今、最も大切にしている考え方があります。
それは、「投資を頑張るのではなく、投資を続けられる仕組みを作る」ということです。
コロナ禍を機にインデックス投資を本格的に取り入れ、現在は長期的な資産形成を意識しながら、できるだけ感情を投資判断に持ち込まないようにしています。
もちろん、投資に「絶対」はありません。暴落はいつ起こるか分かりませんし、インデックス投資だからといって必ず利益が出るわけでもありません。だからこそ大切なのは、「自分が耐えられるリスクの範囲で投資を続けられる仕組みを作ること」です。
今回は、私自身の苦い失敗経験と、7年間の筋トレ生活から学んだ「仕組み化」の考え方を交えながら、40代・50代が実践すべき「放置できる資産形成」について書いてみます。
1. 私が投資で経験した2つの苦い失敗
現在の私はインデックス投資を資産形成の中心にしていますが、最初から今のような投資スタイルだったわけではありません。むしろ、かなり遠回りをしてきました。
- 失敗①:リーマンショックで狼狽売りした 私が株式投資を始めたのは28歳の頃でした。当時は今ほど投資について深く考えておらず、株価が上がれば喜び、下がれば不安になる……まさに「株価に感情を支配される投資」をしていました。そこに起きたのが、リーマンショックです。株価が大きく下落していく中で、含み損はどんどん膨らんでいきます。毎日画面を見るたびに「このままもっと下がったらどうしよう」「資産がなくなってしまうのではないか」という不安が大きくなっていきました。増していく恐怖に耐えきれず、私は最悪のタイミングで売ってしまいました。いわゆる狼狽売りです。今振り返れば、投資人生の中でも非常に大きな失敗でした。もちろん、当時の自分にとってはそれだけ暴落が怖かったということです。だからこそ、今の私が強く意識しているのは「暴落しても売らずにいられる投資額にする」ということです。どれだけ期待できる投資先でも、自分が耐えられない金額を投資してしまえば、暴落時に冷静な判断ができなくなります。>関連記事:[28歳で始めた株式投資に失敗|リーマンショックで投資から退場した話]
- 失敗②:利益が出ると使ってしまった リーマンショックを経験した後、私は少し違った投資をするようになりました。大きなリスクを取るのではなく、「少し増えたら使う」という、お小遣い稼ぎのような投資です。利益が出れば、「これくらいなら使ってもいいか」と引き出して使ってしまう。投資でお金を増やして人生を楽しむこと自体は決して悪いことではありません。ただ、資産形成という目的においては問題がありました。利益を使ってしまえば、その分だけ投資元本も増えていきません。結果として、資産が資産を生む状態をなかなか作れず、いくら投資を続けても資産の雪だるまが大きくならなかったのです。この経験から、「利益が出たら使う」ではなく、「まず資産を育てる。そして必要なときに使う」という考え方へ少しずつ変わっていきました。
2. 失敗を経験してたどり着いた「仕組みで続ける資産形成」
現在の私が大切にしているのは、「資産形成を意志の力だけに頼らない」ということです。
これは、49歳になって突然思いついたわけではありません。リーマンショックでの失敗、その後のお小遣い稼ぎ投資、そしてコロナ後にインデックス投資を本格的に取り入れていく中で、少しずつ今の考え方が形になっていきました。
特にインデックス投資を続けるようになって感じたのは、「毎回、自分で投資判断をしなくてもいい仕組みを作ることの強さ」です。
- 毎月決まった金額を積み立てる
- 長期保有を前提とした商品を選ぶ
- 短期的な値動きで簡単に売買しない
こうしたルールにあらかじめ決めておけば、毎回「今月は買ったほうがいいのか?」「今は高すぎるのでは?」と悩む必要がありません。
もちろん、資産配分や投資方針を定期的に確認することは必要です。ただ、日々の株価に反応して行動する必要はない。私はこの距離感が、自分には合っていると感じています。
>関連記事:[インデックス投資と高配当株、結局どっち?]
3. 筋トレを7年間続けて分かった「仕組み化」の強さ
実は、この「仕組みで続ける」という考え方は投資だけではありません。私が長く続けている筋トレも、基本的には同じです。
筋トレを始めたばかりの頃は、「今日は頑張ろう」「もっと追い込もう」と気持ちに左右されることもありました。でも、長く続けるにはそれだけでは無理があります。
私の場合は、
- 朝4時半に起きる
- 決まった曜日にトレーニングする
- 鍛える部位を決める
- 食事もある程度パターン化する
こうして、筋トレを「特別なイベント」ではなく「生活の一部」にしていきました。
だから、毎回モチベーションを高める必要がありません。「やる気があるから続く」のではなく、「やることが決まっているから続く」のです。
これは資産形成にも当てはまると思っています。投資も筋トレも、短期間で結果を出そうとすると苦しくなります。でも、無理なく続けられる仕組みを作れば、時間が味方になってくれます。
4. 忙しい40代・50代こそ「放置できる投資」を作る
40代になると、仕事も忙しくなります。責任のある立場になり、家庭のこともあり、自分自身の健康にも気を配らなければいけません。
そんな中で、「今日の株価はどうなった?」「この銘柄は売ったほうがいいかな?」「米国市場はどうだった?」と毎日のように考えていたら、それだけで疲れてしまいます。しかも、株価を頻繁に見たからといって、明日の値動きが分かるわけではありません。
だったら、「自分でコントロールできることに集中する」。私はそう考えています。
自分でコントロールできること(ここに集中する)
- 毎月いくら投資するか
- どんな資産に投資するか
- どれくらいのリスクを取るか
- 生活防衛資金をどれくらい確保するか
- どれくらいの期間、投資を続けるか
コントロールできないこと(手放す)
- 明日の株価が上がるのか
- 来月暴落するのか
市場を予想することよりも、「自分の行動をコントロールすること」を重視しています。
5. 私が考える「放置投資」の3つの仕組み
では、実際にどうすれば「放置できる投資」を作れるのでしょうか。私が重要だと考えているのは、次の3つです。
- ① 給料が入ったら、先に投資資金を確保する 「余ったお金を投資しよう」ではなく、「最初に投資するお金を確保して、残ったお金で生活する」という考え方です。 生活防衛資金を確保したうえで無理のない金額を決め、毎月淡々と投資する。これだけでも資産形成は大きく変わります。
- ② 積立設定を利用して自動化する 証券会社の積立設定を利用すれば、毎月決まった日に自動で買い付けることができます。自分で毎月「今月は買おうかな?」と判断する必要がありません。 投資判断をする回数が減れば、それだけ感情が入り込む余地も減ります。長期的な資産形成を目的とするなら、あらかじめ決めたルールを淡々と守るほうが見続けやすいと感じています。
- ③ 証券アプリを見すぎない(アプリとの適度な距離感) 私は現在、株価をまったく見ないわけではありません。資産が増えていれば「おっ、増えたな」と普通に嬉しくなりますし、逆に下がっていても「まあ、こういうこともある」くらいの感覚です。 ただ、投資を始めたばかりの頃はそうはいきませんでした。株価が下がって不安になり、また確認してさらに下がり、もっと不安になって売りたくなる……このループに入ってしまうと危険です。 もし株価を見ることで不安になってしまうなら、証券アプリをホーム画面から外す、あるいは一時的にアプリを削除してみるのも一つの手です。見ないことで冷静さを保てるのであれば、それも立派な投資戦略です。
>関連記事:[私の投資ポートフォリオを公開]
6. 「放置」と「何もしない」は違う
ここは、私が一番伝えたいところです。
放置投資というと、「買ったら何も考えなくていい」と思われるかもしれません。でも、私はそう考えていません。
「投資を始める前に、しっかり考える。そのうえで、始めた後は余計なことをしない」
これが私の考える「放置」です。
例えば、
- 毎月いくら投資するのか
- どんな資産に投資するのか
- 資産が大きく下落したときでも、慌てて売らずにいられるか
- 生活防衛資金はいくら必要なのか
こうしたことは、最初に決めておく。そして、一度決めたルールを短期的な感情で簡単に変更しない。
つまり、「考えない」のではなく、「あらかじめ考えておく」。これが放置投資の本質だと思っています。
7. 40代からは「リスクを取りすぎない」ことも重要
40代になると、投資できる期間は20代・30代より短くなっていきます。だからといって、焦って大きなリスクを取る必要はありません。
むしろ重要なのは、「暴落しても投資を続けられる金額にすること」です。
例えば、資産が一時的に大きく下落したときに「もう無理だ。全部売ろう」となってしまうなら、その人にとってはリスクを取りすぎている可能性があります。逆に、「下がっているけど、生活には影響しない」と思えるのであれば、長期投資を続けやすくなります。
私自身、リーマンショックで狼狽売りを経験しているからこそ、ここは強く意識しています。最大のリターンを狙うことより、途中で投資をやめないこと。長期の資産形成では、これが非常に重要だと思っています。
8. 暴落したときこそ「自分のルール」が試される
長期投資をしていれば、暴落を完全に避けることはできません。むしろ、「いつか大きな暴落は来る」と考えておいたほうがいいと思っています。
重要なのは、「暴落したらどうしよう?」ではなく、「暴落したときに、自分はどう行動するのか?」を、暴落する前に決めておくことです。
暴落によって資産価格が大きく下落した局面では、長期的な投資方針を持っている人にとって、買い増しを検討できる場面になることもあります。私自身も、余裕資金とリスク許容度の範囲内であれば、暴落を「恐怖だけで終わらせない」という考え方をしています。
ただし、生活資金まで投資したり、無理な買い付けをする必要はありません。大切なのは、暴落しても慌てなくて済む状態を、平常時から作っておくことです。
長期投資では、短期的な値動きに振り回されず、時間を味方につけられるかどうかで結果が大きく変わってくると私は考えています。
9. 資産形成で大切なのは「何を買うか」だけではない
ここまでの経験を振り返ると、私は資産形成について少し違った見方をするようになりました。
もちろん、何に投資するかは重要です。インデックス投資なのか、個別株なのか。どれくらい株式に配分するのか。こうした選択は当然重要です。
でも、それ以上に「自分がその投資を続けられるか」が重要だと思っています。
どれだけ期待できる投資先でも、暴落したときに怖くなって売ってしまえば、長期投資のメリットを十分に受けられません。だからこそ、
- 自分が耐えられるリスクを知る
- 無理のない金額を投資する
- 積立を自動化する
- 短期的な値動きを気にしすぎない
- 長く続ける
という「仕組み」が大切になります。
10. 投資も筋トレも「積み上げ」が結果を作る
私がブログで「積み上げライフ」というテーマを掲げているのも、ここにつながっています。
筋トレも資産形成も、一気に結果を出すものではありません。筋トレを始めたからといって1週間で理想の身体になるわけではありませんし、投資を始めたからといって1年で大きな資産を築けるわけでもありません。
でも、
- 今日トレーニングする
- 今日も食事を整える
- 今日も仕事をする
- 今日も決めた金額を投資する
そんな小さな行動を何年も積み重ねていけば、少しずつ結果が変わってきます。
私は筋トレを長く続けてきたことで、この「積み上げ」の力を実感しています。そして資産形成でも同じことを意識しています。一発で大きく増やすのではなく、時間を味方につけて育てていく。これが、今の私にとって一番しっくりくる考え方です。
まとめ|投資に人生を振り回されないために「仕組み」を作る
私の投資人生は、決して順調ではありませんでした。
リーマンショックでは暴落の恐怖に負けて狼狽売り。その後は利益が出るたびに使ってしまい、資産を大きくすることができませんでした。今振り返れば、どちらも「その場の感情や意思に頼りすぎ、仕組みがなかったこと」が原因だったと思います。
コロナ後からインデックス投資を本格的に取り入れ、現在は「自分が頑張らなくても続けられる仕組みを作る」ことを大切にしています。
- 毎月の投資額を決める
- 積立を自動化する
- 自分が耐えられる範囲のリスクを取る
- 暴落しても慌てない
- 株価を必要以上に見ない
- そして、時間を味方につける
これだけです。
筋トレも資産形成も、短期間で結果を求めて力むと苦しくなります。でも、無理なく続けられる仕組みを作れば、少しずつ積み上がっていきます。
49歳になった今、私が大切にしているのは「投資に人生を振り回されないこと」です。
株価は市場に任せる。自分は仕事をする。身体を鍛える。家族との時間を楽しむ。そして、資産は淡々と積み上げていく。
投資は人生を豊かにするための手段です。だからこそ、投資のために人生の時間を使いすぎない。これからも私は、そんな心地よい距離感で「積み上げライフ」を続けていきたいと思っています。


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