目次
- 2008年、まさか世界的な金融危機になるとは思っていなかった
- リーマン・ブラザーズ破綻で状況が一変した
- 株価だけではなかった。現実の生活にも影響が出た
- リーマンショック後、私はしばらく株から離れた
- 「株を買う」より「持ち続ける」方が難しい
- 暴落でも狼狽売りしないために、私が意識している5つの準備
- 「ガチホ」は精神論ではない
- まとめ|暴落を避けるのではなく、市場に残り続けるために
「株が暴落したら、あなたは売らずに持ち続けられますか?」
現在の私は、基本的にインデックスを中心とした長期投資をしています。短期的な株価の上下に一喜一憂せず、時間を味方につけながら資産を積み上げていく。自由な資金を運用し、暴落が起きたとしても、できるだけ狼狽売りをしない。今ではそんな投資スタイルが自分の中で定着しています。
でも、最初からそうだったわけではありません。
むしろ私は、2008年のリーマンショックで株を安値圏で売ってしまった経験があります。しかも、本当に怖くなって「これ以上下がる前に、とにかく逃げたい」と思って売ってしまいました。
今回は、投資歴22年の私が実際に経験したリーマンショックを振り返りながら、なぜ安値で売ってしまったのか、そして自身の苦い失敗を踏まえて、現在どんな準備をしているのかについてお話しします。
2008年、まさか世界的な金融危機になるとは思っていなかった
私がリーマンショックを経験したのは2008年です。当時の私は、今ほど長期的な資産形成について深く考えていませんでした。
株を買って、利益が出れば売る。そして、その利益を使う。今振り返ると、かなり「お小遣い稼ぎ」に近い感覚だったと思います。何十年も保有して、複利の力で資産を大きくしていく発想は当時の私にはありませんでした。
2008年の春頃には、アメリカのサブプライムローン問題がニュースになり、株式市場も少しずつ不安定になっていました。それでも私は、「ちょっと景気が悪くなるのかな」くらいにしか考えていませんでした。
当時、日本では「いざなみ景気」と呼ばれる景気拡大が続いていました。まさか、この後に世界的な金融危機が起き、自分の生活にまで影響してくるとは思っていませんでした。
リーマン・ブラザーズ破綻で状況が一変した
2008年9月。リーマン・ブラザーズが経営破綻しました。ここから状況が一気に変わっていきました。
株価はそれまで経験したことのないような勢いで下落し、私が持っていた株も大きく値下がりしました。記憶では、ピークから6割以上下落した銘柄もありました。
毎日のように株価が下がり、ニュースを見ても明るい話題がない。「まだ下がるんじゃないか」「このまま持っていたら、もっと損をするんじゃないか」という不安がどんどん大きくなっていきました。
朝起きて株価を確認するたびに胃が痛くなり、ついに私は株を売りました。安値圏での売却です。今振り返れば、典型的な「狼狽売り」でした。
株価だけではなかった。現実の生活にも影響が出た
「長期投資なら、暴落しても売らなければいい」
今ならそう考えます。精神論で持ち続けることが正解だと分かっているからです。でも、当時の私の頭の中は「これ以上下がる前に、とにかく逃げたい」これだけでした。含み損が大きくなる恐怖はもちろんですが、それ以上に大きかったのが自分の生活そのものに対する不安でした。
リーマンショック後、日本の製造業にも大きな影響が出ました。仕事が減り、企業の業績も悪化。「派遣切り」という言葉が社会問題になったのもこの頃です。
私自身の職場でも仕事量が大きく減り、給料も大きく減りました。
- 保有株が大きく下がる
- 本業の仕事が減る
- 毎月の給料まで減る
「株も下がる。仕事も減る。給料も減る」という状況になると、精神的な余裕は完全になくなります。「投資どころではない」そんな気持ちになっていました。
私がリーマンショックで株を売ってしまったのは、単純に「投資の知識がなかったから」だけではありません。生活そのものに対する不安が、投資判断に大きく影響していたのです。
リーマンショック後、私はしばらく株から離れた
恐怖から株をすべて売った私は、「株は危険だ」と思い、しばらく株式市場から離れていました。自分のお金が減り、仕事や給料にも影響が出たのですから、当然の反応だったのかもしれません。
ところが、その後しばらくして株価を見ていると、少しずつ状況が変わっていきました。株価が戻ってきたのです。
そこで私は、強烈な後悔をしました。
「あのとき売らなければよかった……」
売った瞬間は「これ以上下がる前に逃げられてよかった」と思っていました。しかし時間が経ち、株価が回復してくると考えが変わりました。「暴落したら売る」という行動は間違いだったのではないか、と自分の中に強い教訓として残りました。
「株を買う」より「持ち続ける」方が難しい
この経験から、私は一つのことを強く感じるようになりました。
株を買うことよりも、暴落したときに持ち続けることの方がはるかに難しい。
株を買うときは「この会社は成長する」「長期的には上がるだろう」と前向きに考えられます。しかし暴落すると、資産が減り、ニュースは不安を煽り、周囲からも「株は危険だ」と言われます。
そんな状況で「自分は長期投資家だから大丈夫」と冷静にいられるか。これは想像以上に難しいことです。
だからこそ「ガチホするぞ」という気合いだけでは暴落を乗り切れません。必要なのは、暴落が来ても売らなくて済むような「事前準備」です。
暴落でも狼狽売りしないために、私が意識している5つの準備
現在、私が暴落に備えて意識しているのは次の5つです。
① 生活防衛資金を確保しておく
まず大切なのは、投資以前に生活を守るお金を確保しておくことです。サラリーマンなら生活費の6ヶ月程度、もし雇用環境や収入面で不安が大きい場合は1〜2年分の現金を確保しておくと安心です。
私自身、リーマンショックのときに仕事と給料が減る経験をしたからこそ、現在は投資資金と生活資金を明確に分けることを強く意識しています。「暴落しても売らなくていいお金」を別に作っておくことが、長期投資の土台になります。
② 余裕資金だけで投資する
「3年後に使う予定のお金」「教育費」「当面の生活費」などを株式市場に入れてしまうと、暴落時に耐えられなくなります。投資では「いくら儲かるか」だけでなく、「どれくらい下がっても耐えられるか」を考えることが重要です。
③ 「大きな暴落が来ることもある」と事前に想定しておく
長期投資をするなら、30%〜50%近い暴落が起こる可能性を最初から頭に入れておく必要があります。私自身、リーマンショックで大きな下落を経験しているので、「株は絶対に下がる局面がある」と思って投資しています。むしろ、下がることを知らずに投資する方が怖いと思っています。「1,000万円が500万円になったらどう動くか」を暴落する前に考えておくことが大切です。
④ 「なぜ投資しているのか」を明確にしておく
20代、30代の頃は「利益が出たら売って使う」という考え方でした。今は10年、20年先の資産形成という明確な目的があるので、同じ株価の下落でも以前とは見え方が違います。目的がブレなければ、短期的な値動きに振り回されにくくなります。
⑤ 暴落したときの「自分ルール」を事前に決めておく
感情に負けないよう、平常時にルールを決めておきます。
- ○%下落しても慌てて売らない
- 必要以上にニュースやSNS、株価を見すぎない
- 生活資金には絶対に手をつけない
| 準備すべき5つのポイント | 具体的なアクション |
| ① 生活防衛資金の確保 | サラリーマンなら6ヶ月分、不安があれば1〜2年分の現金を投資とは別に確保する |
| ② 余裕資金のみで投資 | 数年以内に使う予定のあるお金(教育費・住宅資金等)は絶対に投資に回さない |
| ③ 下落の事前想定 | 「大きな暴落で資産が30〜50%程度減る可能性もある」と平常時から想定しておく |
| ④ 投資目的の明確化 | 短期のお小遣い稼ぎではなく、「10〜20年後の将来の資産形成」を目的にする |
| ⑤ 暴落時の自分ルール設定 | 「株価を見すぎない」「設定ライン以外では売らない」など行動ルールを決めておく |
「ガチホ」は精神論ではない
以前の私は「暴落しても売らない人はメンタルが強い人」だと思っていました。でも今は違います。
大切なのは精神力ではなく、「暴落しても売らなくて済む環境を作っておくこと」です。
生活防衛資金があり、余裕資金で投資し、目的が明確で、下落を想定し、ルールがある。この準備があれば、暴落時にも冷静でいられます。「ガチホできるかどうか」は、暴落が起きたときではなく、暴落が起きる前にほぼ決まっているのです。
まとめ|暴落を避けるのではなく、市場に残り続けるために
もし2008年の自分に戻れるなら、「大きな下落はいつか必ず来る。そのときにどうするかを今のうちに決めろ。そして生活に必要なお金まで投資するな」と伝えたいです。
リーマンショックのとき、私が本当に怖かったのは株価だけではなく、仕事や給料が減り生活そのものが不安になったことでした。
投資をしている以上、暴落を完全に避けることはできません。大切なのは、暴落を避けるのではなく、暴落が来ても市場から退場しない。そのための準備をしておくことです。
良い資産を持ち、適切な準備をして、時間を味方につけること。それこそが、私が22年の投資経験を通して感じている長期投資の一番大切なポイントです。


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